ラベンダーは一種類ではありません。Lavender Emberdaleでは現在、グロッソ、ヒドコート、おかむらさきの三品種を栽培しています。同じ畑、同じ土、同じ水で育てても、香りはまったく違います。それぞれの品種について、農場で観察してきたことを書きます。

グロッソ:甘さと丸みの品種

グロッソはラバンジン(真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交配種)の一品種です。花穂が大きく、精油の収量が多い。香りは甘く、カンファーが少ないため、就寝前のディフューザー使用に向いています。諏訪の冷涼な気候との相性が良く、Lavender Emberdaleで最も安定して育っています。採油率は年によって0.8〜1.1%の範囲で変動します。

ヒドコート:草本感のある小さな品種

ヒドコートは真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)の品種で、花穂が小さく、株もコンパクトです。グロッソより寒さに弱い面があり、諏訪の厳しい冬には不織布の保護が欠かせません。香りはグロッソより草本感が強く、シャープです。アロマトリートメントや手作りコスメへの応用を考えている方に向いています。採油率はグロッソより低く、0.6〜0.8%程度です。

おかむらさき:和種ラベンダーの可能性

おかむらさきは北海道の富良野で広く栽培されている和種ラベンダーです。2026年春に20株を追加しました。カンファー含量が高く、香りにシャープさと清涼感があります。諏訪の土壌と気候でどんな香りになるか、最初の蒸留は2027年夏の予定です。富良野産のおかむらさきとは異なる香りになる可能性があります。

諏訪の気候と土壌が香りに与える影響

諏訪は標高約900メートルの高原盆地で、昼夜の気温差が大きく、夏でも夜は涼しい。この気温差が植物の精油含量を高めると言われています。また、諏訪の土壌は火山性で水はけが良く、ラベンダーの根腐れが起きにくい。ただし、冬の霜が厳しいため、品種によっては防寒対策が必要です。

品種ごとの使い方の違い

グロッソは就寝前のリラックス用途に。ヒドコートはスキンケアや手作りコスメへの応用に。おかむらさきは(蒸留できるようになれば)清涼感を活かした夏向けの用途に向くと考えています。どの品種が「良い」ではなく、用途に合わせて選ぶことが大切です。農場見学では、三品種の香りを実際に嗅ぎ比べることができます。

品種の違いを知ることは、精油を選ぶときの手がかりになります。「ラベンダー精油」とひとくくりにされていても、品種によって香りの成分比率は大きく異なります。農場見学にいらっしゃる方には、畑で直接嗅ぎ比べていただくことをお勧めしています。